銀河の寵児

 

二〇三六年九月一一日、京都鶴ノ宮学園。平凡な生活、平凡な人生を送っていた三年A組の藤堂真の身に宇宙規模の災厄が巻き起こる。宇宙の彼方からやってきた知的生命体たちは地球人類が何者なのかを見定めようとしている。地球人類の未来を切り開く凝縮された一週間。


【登場キャラクター】

・藤堂 真

・竜宴 剣

・音羽 真由美

・椎寺 芽衣

・奈良 翼

・祝 比未子

・天見 九十九

・十六夜 真宙

・ジャンヌ・オードラン

・黒須 心

・平雅 烈士


『銀河の寵児』はProjectエーテルを立ち上げる前に、SFジャンルを盛り上げるためのアイデアの一つとして、ライトノベルを強く意識してtwitterで試行されていました。エーテル最初の世界設定となる小説集合体ハイブマインド・クロニクルを模索する中で、『銀河の寵児』を融合すべく見直すこととなりました。内容的には、SF小説『知性化戦争シリーズ』やSFテレビドラマ『スター・トレック』そしてPCゲーム『フロンティア・ユニバース』『アセンダンシー』等の壮大な宇宙を語る作品群から多大なる影響を受けており、動物園仮説にアレンジを施していきます。

今のところハイブマインド・クロニクルはほとんど地球上で展開されるストーリーのため、『銀河の寵児』は異色の存在と言えますが、時間的にも空間的にも年代記、群像劇として極大なスケールを誇り、そんな前提の上で3年A組藤堂真の周囲の出来事が宇宙レベルで展開されます。その一方で語りの雰囲気は科学・SFネタをハードに盛り込みつつもライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』や『六畳間の侵略者!?』のような楽しげな感じを出せるよう、登場する宇宙人キャラたちの関係を手厚く表現することが目標です。

ということで『宇宙の寵児』は他と比べてライトノベルへのチャレンジ色が濃く少々?ハチャメチャなお話になりそうですが、一週間という短い時間設定の中で、地球人類の超未来へのレールを敷くハイブマインド・クロニクルの中核の一つとすべく仕上げていきます。なかなかヘビーな試みではありますが「地球で何かが起こっている時、それと同時に宇宙の各所でも何かが起こっている──」そんなことを妄想して世界を構築していきます。

最後に、タイトルはロバート・A・ハインラインの名作『宇宙の孤児』へのリスペクトですが、内容はあまり類似点はありません。こじつけるなら地球は我々人類が乗り込んでいる宇宙船という感じですが、『宇宙の孤児』のような宇宙的視点で物語を構築したいという希望は込められています。

イラスト/よもぎぱん