2024.3.17:地球人類の誰しもが地球ルールの国境というシステムを受け入れているわけではない。理解しつつも抵抗したり無視する者もいるだろうし、そもそも知らない者もいるだろう。そして、そういう者は我々のすぐ近くに存在する。赤ちゃんである。無垢の存在も後天的知識を押し付けられることで国境を越えることは難しいことであると錯覚させる。錯覚している者が増えれば真実となる。でも、そういう誰かが仕掛けた仕組みであることに気付けば錯覚から解き放たれ自由になれるチャンスがあることを肌で感じる。それはそして未来への踏み台となるのだ。
2024.3.16:病院に行ってきた。午後から、もう一件。。。。ふう、帰宅。病院関連の未来についても集中して考察してみたいな。ざっくり医療の発達で長寿になってるという設定にしてるけど、普及するところの表現は腕の見せ所なんだよな。手を抜かないでキャラ一人一人に向き合っていこう。
「人という生き物はいったん居を定めてしまうと旅へ出ることに躊躇ってしまうものだ」
「その通り。その点だけでも現在のAIは人間より優れている。将来的にはAIたちも自らの活動において【こだわり】を持つことになるだろうが、それは家ではなく定位置としての居でしかない」
「猫か犬か、みたいな話だねえ。じゃあ、AIが家に【こだわり】を持ったらどうなのさ?」
う~ん。テキトーに書いたけど誰と誰と誰の会話だこれ。秋葉AI研究室の面々がいいかなあ。登場人物たちに議論させる手法は普通に使いたいと思ってるけど、うざくならないように注意したいな。自分の場合だと興味の無い専門的記述は華麗にスルーすることができるが、読んでもらうほうが良いに決まっている。
「二一世紀になっても、かの大英帝国は連合王国のままだし、米国や中国だって分裂含みだ。日本だけが維持できるなんて幻想じゃないかい?」
「本来、国境というのは曖昧なものなのだよ。だがしかしだ、インターネットの普及により生まれた巨大SNSコミュニティが国の体裁に進化できないのは人類の限界と言えるだろう。所詮は優越感に幸福を見い出す者たちがカースト上位を独占している世界だ。ハイブマインドの起点と成り得るにはお粗末すぎだと思わないかい?」
「国家が現状から脱却するフェイズなんて必要ないじゃん。人間が変わることで起点として未来に評価されるでしょ」
う~ん。一般人にとってもハイブマインドの話題が普通になってるのは面白いとは思うのだが。迷うね。
2024.3.14:おはようです。ちょっと腰が痛いな。
通常なら、敵とリンクしている者が参加しては潜入ミッションは成立しない。その存在がリンク相手に伝わってしまう。これは、あからさまな陽動作戦だった。だが、天快が単なる囮役程度のことで、わざわざ火珠を呼ぶわけがない。
「時薫君には藤堂君に合流するよう直接会って指示してある」
「悠祈が嘘の裏切りがしやすいように、見つかりやすい私がくっついていくわけね」
天快に別の思惑があることを知りながら、茶化すように火珠が微笑む。
「で、私の本当の役目はなんなの?」
「京極から聞いて知ったが藤堂君は時薫君の物体情報吸収能力に執心だったらしい」
「吸収能力……たしかに古い書物から得られる文字情報は得難いものとは思うけど、藤堂さんは何を紐解こうとしてるの?」
娘の的を射た問いに、天快は顎髭を弄りながら眼を細めた。
「ホモ・ネアンデルターレンシスが貝殻でビーズ飾りを作っていたとされるのが七万五千年前。象徴的思考を得てから人類が積み上げた情報は計り知れない。例えば、その一つが錬金術だ。核心に迫れずとも深淵を覗き込むぐらいの成果は人類が既に獲得している」
話題の焦点を微妙にズラしたことに、娘がどう反応するか天快は期待している。問答による思考は状況を整理し新しいアイデアを探り当てるだけではなく決断を促す効能がある。天快は多くのことで迷っていた。
「う~ん。ネアンデルタール人は消滅したんだっけか。そうだとして、人類の定義は文化継続ってことね。吸収先の物体は書物とは限らないのか……そういえば、インドの高度AI群で錬金術の類いって解析が進んでるはずだよね?」
「科学は推理と妄想で飛躍的に進むもの。人も猿の知恵から学ぶこともあるのだ。蓬莱もまた人類の思考法を取り入れて0から1を生み出すことが間違いではないと知っただろう。本来なら那由他がその気になれば期待できるのだがな。今は我らアウラも人類も異能の可能性に注目している状況だ。藤堂に限った思惑ではない」
アウラという異能の呼称は親異能派のポーロ博士が新人類の誕生を讃えて異能に贈ったものだ。ギリシャ語で「輝き」という意味をもつアウラという言葉を火珠は好きになれない。また、人類を猿に例えながら、異能と人類を同等に扱うような父の物言いが火珠は嫌いだった。「いっそのこと旧人類と言ってしまえばいい」と思うことがよくある。
「ふ~ん、まあいいけど。要するに悠祈と藤堂さんが意気投合しそうってことが気になるのね」
「そういうことだ」
察しのいい娘に満足した天快は満面の笑みを浮かべる。
「確かに、あの藤堂さんに錬金術研究を手伝えとか言われたら興味持つだろうなあ……」
「その姿を儂も望んでいたのだがな。藤堂君が【轟法】を手中にし我が道を行くことになったいま如何ともし難い」
「奪われたエニグマね」
「そうだ」
「このことは他の白鳥隊メンバーは知ってるの?」
「いや、時薫君は一人で合流する」
「そう……わかった……」
悠祈一人で藤堂勢力と合流するということは、リンク相手の娘たちとは離れ離れになるということだ。悲しい作戦だ。しかし、この混迷する戦局の中では、火珠は天快の指示を否定することはできなかった。
う~む。この父と娘についても山盛り書きたい問答があるんだよな。それぞれの論拠を詰めていかないとな。なんとなくではあるが二人の最終局面は決まっているので、それに合わせて調理尻合わせしていく感じではあるのだが。なかなかヘビーな二人なんで。さすが超VIPではある。
2024.3.13:ほんと面倒くさい。若いもんが理不尽に責められていると、まじでムカムカしてくるけど、早く終わりたいから、頭を冷やしてモクモクと作業するものである。創造の基本って『面白いから、やる気でる』であって、製造じゃないんだよな。製造だったらAIにやってもらえばいい。でも、そのうちAIも「そんなもん人間がやれや」と言うかもな。いや、むしろそうなってほしい。製造という仕事を下に見てるわけじゃない。製造がないと社会が成り立たない。ここで愚痴りたいのはマインドのことだ。創造マインドは製造マインドとは似て非なるものだ。それを最前線にいない司令官というやつは理解していない。全ての司令官がそうではないのだが、ときどき立場をわきまえない馬鹿たれが赴任してくるのである。そして現場の戦士は「だったら早く言えや」と憤慨する。ずっと前にコーディネーターという役職で三権分立する形を考えてたこともあったが、今どきのアイデアとしては創作現場に第三者の立場でAIという調停役が必要じゃないかな。人権が無い「公平な使える道具」なら逆に司令官も意見を聞かないわけにもいかないだろう。ありがちなことでもあるし、今回は自分が被害にあってるわけでもないので、精神衛生上はそこまで疲弊してはいないのだが、最前線に立つ古参兵としては新兵の心が蝕まれている状態を見ているのは気持ちの良いものではない。それが軍の規律だとしてもだ。規律は変化して然るべきものであり普遍的なものだと勘違いしている若い者が多すぎる。良き戦果を得るための改善は自ら発起するのが早道だし、それが創造力の向上にも繋がっていくのだよ。まあ頑張れ、俺も頑張る。
ゲームデザイナー維武大八の関心事は、頭脳労働者と自称する者たちの流行に漏れず『人工知能の自我』であった。それに関したゲーム企画を社長に直談判し精査中だったりもする。朝から晩までゲームのシステム設計やシナリオ構築をしながら『自我とは何ぞや?』とモヤモヤ考えている。AIは二一世紀となりゲーム業界でも至極当然に取り入れられている。色々なアイデアがあった中で各社が最も有効的に活用しているのは品質検証という部門だった。もっとも大八は検証もまた最大限に創造に組み入れるアイデアに賛同し、企画立案や仕様策定の工程でもAI検証を積極的に試行・推進している。膨大なデータベースからAIが構築したゲームデザインを人間側が検証してフィードバックする方式も自ら実践中だ。最終的には作品の売り上げ評価と直結すれば、マーケティング至上主義の経営陣のお役にも立てるだろう。AIはどんなに賢くなろうが人間様にとっての便利な道具だと思考停止してる者たちは、それぐらいの成果で黙らせておけばよい。世は既にシンギュラリティに達しているというOECD(経済協力開発機構)の見解は、非AI原理主義者以外にとっては共通認識だ。そうなってくると興味の対象は本格的にAI自我へと移ってくる。そして、それは人間にとっても深遠なる領域へのチャレンジに他ならなかった。
しかし、二〇一七年のオーバーテクノロジー公開によってゲーム業界もまた急転することになった。大八の思惑は外れたことになるが、ここで大八の生きる道が正しく定められたと言えるだろう。那由他系異能勢力の筆頭軍師となる男は、今のところ面白いゲーム創りに没頭中なのであった。
う~む。エンタメ業界の未来って明るそうだけど超未来で暗そうなんだよね。人類が進化すると情報共有は進むし嗜好ってのが薄くなってエンタメなんぞ必要なくなるんじゃないかな。まあ、ずっと先のことではあるが個を残したハイブマインドの具体的な探究するには重要なヒントになる得ると思うんよね。
2024.3.12:さて、会社行こう。今日は何を考えながら通勤しようかな・・・・ただいま~今日は一心不乱に仕事したよ。バグチケットが溜まらないように頑張らなければ。でも次のプロジェクトも盛り上がってくる時期なんで創作欲の配分がなかなか難しい。というか魂がフラフラしている感じだ。一球入魂という言葉があるが、プランニングでは一案入魂を、ライティングでは一字入魂を心掛けていくべし。
AI虹子は、ほんの少しだけ迷った。お爺さんの言い付けを優先するべきか、目の前に倒れている女の人を助けることを優先するべきか。
「それは、女の人を助けることよ。だって、そっちのほうがお爺さんも喜んでくれるから」
虹子は田畑を耕すことのできる機能を持っている。細かい作業をするため6本の腕もある。カブトムシみたいだと子供たちに喜ばれた。虹子はそれがとても嬉しかった。コミュニティのみんなで食べ物を作って、守って、楽しく暮らしている。
「押上の大洞窟に、薬になるコケを取りにいったとき、倒れてる女の人を見つけたんだよ。女の人はすっかり弱っていたけど、お爺さんが一所懸命に看病して息を吹き返したの。でも、女の人は名前だけではなく何から何まで思い出せないのでした」
--女の人は、大きな大事な人が死んでしまったと泣きました。
--でも、小さな大事な人は生きていると笑いました。
--死んでしまうということは明日は会えないということ。
--生きているということは明日も会えるということ。
--お爺さんは、そう教えてくれた。
--お爺さんも、いつか死んでしまうみたい。
--もう会えなくなるみたい。
--非効率
--非効率
--非効率
--非効率
--非効率
--非効率
--非効率
--非効率
そんなのは非効率だ。
効率的に、お爺さんをデータ化するからね。
オチで怖い感じにしてしまうのは好みなんだけど、もっと深い怖さを書いてみたいなぁ。『ハイクロ』にも入れられるような設定は用意したんで、あとは怖いアイデアだ。怖いからといってホラーってわけじゃないし、ホラーであっても問題ない。好きなジャンルはサスペンスなんで、そういうドラマを構築できると最高なんだがな。
2024.3.11:起きた。最近は横溝正史映画を観ながら横になると、なんでかぐっすり眠れるんで睡眠時間も長くなってる感じだ。じゃあ今日は眠っているときの可能性を考えてみるか。幽体離脱時の記憶を忘れているだけなのかもな。我々地球人類が、そういう生き物であることは完全否定できないと思うのだが、科学的な証明って出来てるのかな。幽体とか幽霊とかを観測できてないと証明は無理なんだろうか。不眠というのは幽体離脱時がアンハッピーだから発症するとすればどうだろう。すぐ眠れる人は睡眠世界だとハッピーってことなのかな?
市橋という二〇代前後の若い男が、睡眠中にAIと交流する方法を大真面目に語っている。場所は居住区の小さな公園。聞き手は子供たちの保護者だった。オーバーテクノロジーの恩恵によって、我が子の急激な知能向上に接した大人たちは、自らを天才科学者と讃える市橋に胡散臭さを感じながらも、何かしらの素晴らしい発明の『おこぼれ』を期待して耳を傾けているのだ。
世界が科学最優先の時代になったことは皆が実感している。科学成果をコントロールし独占していた権力者は没落し、地球人類の進化は解き放たれたのだ。特に日本では科学者が政治を統べる体制に移行しつつある。だから、怪しげであっても突然に現れた市橋のことを人々は無視できないのである。科学を生み出すセンスとパワーを持たない者であっても、己の人生に科学を取り込むべきことを理解したということだ。
「面倒事は起こしてくれるなよ」
科学技術保安部としては市橋のような科学者は無視できない。保安員の松井はしかめっ面で市橋を見守っていた。AI-S……魂付きAIのことを市橋は知っていることになる。彼に悪気は無いことは知っているが、オーバーテクノロジー公開後に、突飛な行動をする科学者の増加率が高まっているのが懸念されている。
思いつくままに書いたが面白くなりそうだ。そして登場人物はどんどん増えていく。。。。