◆キャラクター伝


◇明智火珠伝

明智火珠(あけちこだま):2071年12月31日に東京湾メガフロート三剣組工房で誕生し、翌2072年1月1日にAI那由他によるナノマシン・ハザードに被爆。0歳にして那由他系異能の第一世代となる。静岡県大無限山に建設された那由他系異能勢力の拠点の一つ『玄冬院』で、科学(オーガ・テクノロジー)に立脚した陰陽術を学びながら同世代の同類たちとともに成長する。17歳となり高校二年に編入した那由他系拠点の一つ『新松戸学園』では勢力統率の中心として活躍する。三年になり第二代鬼吼隊を率いる。3000人級の男性ハブ機能を有するため、師団規模の統制力を期待できる。AI那由他による人類進化計画ナノマシン・ハザードを立案推進した明智天快の娘であり、さらなる進化の実験体として改造や訓練を受けている。学園卒業後は対米機動要塞『富嶽』の司令官として赴任するが、ほとんど要塞内におらず最前線から命を下す。旧人類擁護派ではあるが理想社会実現のため敵対する者には容赦しない。所有するメガネは380本。

【メガネ】2080年代、医療技術の発展により視覚劣化症状は旧人類でも克服されているが、メガネっ子需要が残っているので、伊達メガネとして使用する者は相当数が存在する。新人類であり戦士の明智火珠の場合、完全睡眠時間以外では戦略視覚能力をフル稼働していることから、特別なヒーリング機能を搭載している専用タイプを使用しており、その日の気分に応じたフレームデザインのメガネを選択する。柔軟性の高い強化素材で造られているので、メガトンパンチをくらっても顔面より先に破壊されることは無い。


◇三剣玲香伝

三剣玲香(みつるぎれいか):第四〇代大棟梁、三剣栄進の孫娘。戦士として最前線に立つが、進化研究者でもある。新松戸学園高等部に編入後も学園の工房部に所属して、AI那由他によるナノマシン・ハザードによって進化した新人類のハブ機能(認め合った相手と思考を相互リンクできる能力)をベースとした集団行動支援システムや兵装開発にも参加している。新松戸学園に入る前は、三剣組壱番工房が学び舎であり遊び場で、情報ライブラリによる学習を禁止されていたため、実践的社会性には乏しかった。学園で新しい出会いや仲間との経験を得るごとに目を輝かす。チームメイトの一人が米国のAIパンドラに囚われた後は、『戦う工房』と呼ばれる弐番工房に所属、工兵としてチームメイト奪還に尽力した。

【三剣組】659年、京都嵐山で旗揚げされた三剣鞘丸が率いる鍛冶、建築、土木などの職工集団。時代が進むことに応じて様々な事柄を研究し、その成果を高精度に具現化する技術を擁している。また公開すると悪用乱用によって地球人類が滅びてしまうであろう超技術を秘匿する、OTA(Over_Technology_Administrator)の一つでもある。21世紀になって欧州のOTAが超技術を公開したことに応じて、三剣組も世界平和を維持するため公開に踏み切った。表舞台に立った後は、核利用の封印、代替エネルギーシステム開発、東京湾メガフロートや軌道エレベーターの建設、海洋開発事業、宇宙開発事業に尽力する。三剣紋のデザインは三つの剣は組の中心である三剣家の家紋であり、九つの楔は九つの工房を表現している。工房それぞれを九人の棟梁が率いて、さらに三剣家の当主が大棟梁として組全体を束ねている。


◇百地柊伝

百地柊(ももちひいらぎ):日本を陰から支える組織、扶桑国の武闘派一族である百地家に那由他系第2世代として誕生する。レイヤーゼロとの同期処理の失敗により精神不安定状態となり、業魔と呼ばれる存在が降臨。赤子の柊を守ろうとした父母が窮地に陥ると、柊の進化特性が覚醒して業魔を退けるも呪いを受けた。物心ついた頃より百地流の厳しい修行に耐え抜いて、若くして陰陽剣士の免許皆伝を受けた。陰陽術はオーガ・テクノロジーをベースにした科学技能であり、扶桑陰陽術の技術顧問に就任していた鬼族首領の鬼一大角(法眼)に直接の指導を受けた。新松戸学園中等部に入学したあとも、鬼一大角の子の役小角、紅蓮とチームを組んで扶桑国の仕事をこなす。二人のことは兄姉と慕っており、二人からも妹として信頼されている。高等部三年となり生徒会副会長に就任。学園全体の調整役として活躍しつつ、第一〇代白鳥隊に所属して最前線においても主戦力として奮闘する。

ハイブマインドの理想について常日頃から意識しているが、隊メンバーの五十嵐亮彦への想いと板挟みになり、強く考えすぎるとナノリンク不全によって意識障害が生じる。この症状については個たる存在がハイブマインドに参加するための研究対象となっていることもあり、教導員の兎月甲兵のケアを継続して受けている。しかし、レイヤーゼロの特異点になっている甲兵と関わることは、誕生時にレイヤーゼロ同期に失敗している柊にとっては良くも悪くも影響が大きく、本来であれば二人の接近は慎重に行うべきところ、那由他系異能勢力のリーダー、明智天快の指示により優先実験として位置付けられた。高等部を卒業すると大無限山玄冬院に隠遁して、日々の生活に絶え間なく織り込まれた幾多の試練に立ち向かう。千日後、甲兵の機知と献身もあって柊の呪いは解消された。だが、試練をくぐり抜ける中で甲兵との間に築かれた絆により、更なるジレンマに苛まれることになった。


◇一ノ矢常盤伝

一ノ矢常盤(いちのやときわ):ハーフバンパイア。母はバンパイア王ドーラ。父は安倍晴明。生後間もなく怪異化して両親の手によって封印されるが、竜宴剣の計らいによって幽体として観察対象となる。無垢なる魂のままで移りゆく世に寄り添う存在として千年を超える時を過ごし、自我は無いが魂感知による記憶は蓄積された。2073年、竜宴剣の影響が無くなるとドーラの依頼に応じた明智天快によって封印が解かれ肉体を取り戻す。扶桑国一ノ矢家の預かりとなり静岡県大無限山玄冬院にて奔放に成長する。一ノ矢家は狩人であり暗殺に長けていて、その技術を当主の純真から直接に仕込まれた。その中でも特筆すべき奥義は、獲物の魂とリンクしマーキングすることで100%命中の射撃である。そのリンク数は平時1秒の準備動作でも百は下らず好調時なら万を遥かに超える。その特性を活かして大小様々な案件の調整役として奔走した。高一で新松戸学園に入学。後に夫となる機械巨人種適合者、玄埜英己と恋仲になる。天快の実験に協力するため二学期早々に中退。五年後に特例で高二として編入。姐御として慕われるが、そもそもバンパイアの威厳と寛容を受け継いでいるのでカリスマ性は年齢差の影響はあまり関係なさそうではある。後輩の物部夏音が仲が良く、相性として戦闘効率も高いこともあり2マンセルを組むことが多い。卒業後は学園に在籍して指導に情熱を注ぎながら、東京ゾーン防衛の要となる。